トロントまで15時間、ハバナまで3時間のフライトを越えてついにキューバ入国の時の話
入国審査自体はまあすんなりとパス
当然だよね
こんな控えめで気の弱そうな僕だもの
絶対悪いことなんかしませんから
入国審査場は窓口が20ぐらいずらっとならんでる
空港自体は鉄筋コンクリートづくりで成田やトロントと比較したらもちろんちょっと粗末な感じはするけれど
ぜんぜん近代的
だけどなぜかこの窓口は基本木製でかなり年季が入っている
そしてこれに僕は入国を阻まれたのでした
審査を終え窓口を通過すると木製の扉が
ロックが外れる音がするのでドビラを開けようとするんだけど
まずドアノブもなく(たぶんとれてなくなったのかわざとないのかよくわからなかったんだけど)
どう開けたらいいのか表記もない
右開きか左開きかもよくわからない
とりあえず軽く扉を押すんだけどびくともしない
なんども押すんだけどびくともしない
ちょっとあせる
僕がこうしてもたもたしていると
後方から審査官の声が
Boy push ! Boy push !
そうはいうけど
僕は一生懸命押してるんですよ
それにBoyってなんだよ
あんたぼくのパスポートまじまじみてたじゃない?
たしかに日本人は幼く見えるかもしれないけれど
もう34歳のおっさんですから
キューバは教育力入れてるんでしょう?
あなた引き算ぐらいできるでしょう?
2011ひく1977暗算じゃできないのか?
もういちどいいますが僕は34歳のおっさんです
(審査官の年も僕とそれほど違うようにはみえなかったなあ)
ってもちろん声に出すことはなく
心のなかでつぶやきました
そして手では一生懸命扉を押し続ける
プッシュ、プッシュ
でもぜんぜんあかない
一体どういうことだ?!
いぜんとしてもたもたしていると
審査場を見回っていたべつの職員がみかねた様子で僕の方につかつかやってくる
そして扉の前に立ち止まり、拳を一閃
扉にドーン!と打ちつける
大きな音を立てて扉がバーンと開く
ははは、僕は苦笑い
こんな扉の開け方ができないとキューバは入れてくれないのか?
申し訳ないけれど人んちに初めて伺って玄関の扉を拳で打ち付けるような教育は日本ではされていなんですよ
ちょっと先が思いやられてくる
扉を通過して嫁さんを待っている間
隣のゲートから出てくる人を観察
他の扉も拳を効かせないと開かないのか?
これがキューバなのか?!
となりのとびらがゆっくり開く
乳母車がゆっくり現れる
あとにはお母さん
ああ、僕が通過した扉だけが特別だった
またここでも苦笑い
ほとんどコントに出演しているような気分だったなあ
そうか僕が最後のドリフ世代だということを見ぬかれていたのか?!
Boyも高度なフリだったのか?
というわけで34歳のひげも伸びてるボーイはどうにかキューバへ上陸できましたとさ
「Boy push ! – 入国審査はパスしたにも関わらず入国できない僕」への1件の返信
面白すぎる!!続編も期待します。