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金庫の鍵がかからず、そして僕はホテルの中で迷子になりかける – その1

空港から最初の滞在地、ハバナのホテルへ向かいチェックイン
部屋に到着して一服
まず金庫に貴重品を納めて遊びにでようとする時の話
これで僕がボーイであることは更に証明されることになってしまうわけですが・・・

金庫です金庫
ホテルの金庫の使い方ってすぐわかりますか?みなさん

ここのホテルの金庫は暗証番号方式でした
4桁の数字を設定します
数字の設定には部屋のカードキーが必要です

金庫には英語とスペイン語でマニュアルがそなえてある
僕はスペイン語は全くできないので英語のマニュアルを見ます
英語ならよめるはず読めるはず
実際に読めた
知らない単語は一つもでてこない
完璧に把握できた、はずでした

実際にやってみる
だめ
なんどやっても金庫がうんともすんとも言わない
こまったこまった

ホテルへの到着は夜でした
はらも減ってきていたし
ハバナへの滞在は短かったから
今晩から繰り出したい嫁さんが僕にプレッシャーを掛けてくる
早くどうにかしなさいと

ぼくはこのプレッシャーに非常に弱いのである
この圧力を受けると自分のパフォーマンスがどんどんしぼんでくるのを感じる
(このプレッシャーは彼女が僕に期待してくれているし負荷をかけて鍛えようとしてくれているということもわかってはいるのだけれど、やっぱりこれをされると緊張してきて体が言うことを聞かなくなってくるんだよね)

彼女に促されフロントへ電話
もちろん英語で

自分の理解が悪いのかマニュアル通りやっても金庫の鍵がかからないのですが?
と僕
自分の理解が悪いとかいうところが僕らしいでしょ?
たぶん普通の人は言わないよね

相手にはちゃんと伝わったようで
手順を説明してくれるんだけどマニュアルに書いてある手順と同じようだった

ともかくもう一度やってみますといって電話を切る

そしてもう一度試すもダメ

ますます彼女のプレッシャーがきつくなってくる
しかしここで彼女が突破口を開く

この金庫は壊れてる!!

そういってフロントに電話

彼女が英語でなんて言ったか覚えてないけれど
とてもブロークンな言い方だったのはおぼえている
しかしともかく人をよこしてくれることになった
うちの嫁さんは頼りになる
どうせぼくは34歳のひげ面のボーイだから

まもなく金庫のトラブル担当のスタッフが機材を抱えてやってくる
この迅速さをみるにつけどうも金庫トラブルは多いんじゃないかと勘ぐった

金庫を見てもらうとどうやらカードキーの磁気内の情報が飛んでしまっているのが原因だと
ともかくフロントでキーを交換してもらえということだった

でも僕はいまいち釈然としない
そうであるならばなぜそのキーで部屋に入ることができたんだろう?
部屋の扉と金庫とでは磁気の読取のしきい値に差があるのだろうか?
(嫁さんからの圧力は受けてもこういうむだな推理力だけは常に発揮されてしまうひげ面のボーイ34歳バレンタインデー生まれ)

このこのことを聞こうかと思ったんだけど聞いた所で金庫に鍵はかからないし
嫁さんからの圧力はますます強まってくる
こんな疑問を口にしたらそんなことどうでもいいでしょ!とおこられるに決まっている

嫁さんに強く促され
磁気の飛んだキーだけを握りしめ僕は部屋を出た

その2につづく

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