宮地年雄っていう名物社長が昔いました。
僕が高校生の頃、テレビでも目立ってました。
かれはアタッシュケースに現金をいれていつも持ち歩いていました。
危ないからやめろと周囲には言われていたけれどやめなかったそうです。
僕は当時、なんで彼がいつも大量の現金を持ち歩いているのかわかりませんでした。
今ならわかる。
昨日、簿記の勉強していたら急に彼のこと思い出しちゃったんですよね。
普通、会社間の取引は掛けで行います。
掛けというのは個人で言えば「つけといて!」ってやつですね。
僕のような個人事業主でも基本的には掛けです。
支払いはのちに振込だったり現金だったり、会社だったら小切手だったり、手形だったりします。
いずれにしても掛けは回収できるまでにタイムラグがあり、回収できないリスクが常にあるわけです。
宮路社長はここを利益の源泉としたわけですね。
常に現金を持ち歩き、その場で払います。
これは取引先からしたらとてもありがたいです。
回収リスクがない分、値引きにも応じたでしょう。
ここが宮路社長の狙いです。
彼が急死し、息子さんが継ぎましたが1ヶ月で潰れてしまいました。
ウィキペディアいわく、取引先から早々に見限られたと書いてありましたが
息子さんは現金を持ち歩けなかったんじゃないかな。
宮路社長は、生前、度々、強盗に襲われたそうです。
しかし、戦争中の経験に比べればなんともないと言ってたとか。
これを息子が真似るのは無理ですね。
1ヶ月というのはあまりにも早いので、
ひょっとしたら息子さんはこのやり方は親父しかできないから
もしものときはすぐに店をたたもうと決めていたのかもしれません。
そうだとしたら今息子さんが何をなさっているのかとても興味深いですね。
何してんだろ?
最近、制作作業に入る前にちゃんと先方と支払いの時期と方法について打ち合わせるようになった僕より。