久しぶりに昔話を書いてみよう
忘れもしない
小学校4年の終わり
僕は塾に通うことになったんだな
なんでそういう事になったのかはよくわからない
ともかく親は中学受験をさせたかったみたい
教室に入る
みんな知らない人ばっかり
学校の教室と雰囲気が違う
休み時間は同じようなんだけど
授業が始まるとなんか緊張感があるんだよね
これだけでもうおしっこチビリそうだったよ
最初は国語の授業だったんだ
問題が配られる
カラーじゃないし字が小さい
やたら問題文が長い
こんな長い文章いまだかつて読んだことがない
もう泣きそうだったよ
おうち帰りたかったよ
そこに追い打ちをかけるように
ある紙が配られる
解答用紙だ
当時学校のテストはカラーで字が大きくて問題と解答を書くところが一緒になっているのが普通だったから
解答用紙という概念を持ち合わせていなかった
僕の認識は”黒い罫線がある紙”だった
罫線の内側と外側に意味の違い、文字を記入するところと余白という区別はつかなかった
完全に平坦、意味など存在しない
本当にただ黒い線がいっぱい引っ張ってある紙というだけの認識
(上の解答用紙はずっと分かりやすい、当時の僕の見た解答用紙はこんなもんじゃなかったよ)
この紙を前に完全に凍りつく僕に先生は”解答用紙”というものを教えてくれたんだ
とんでもないところに来てしまったなあ
もう本当に違う世界にきてしまったんだなあ
僕はこれからどうなってしまうんだろう
と思ったような気がする
でもね不思議なことにここから逃げ出したいというような気持ちはもうなかったんだよね
これをはじまりにこの塾でこのあと2年間
僕は未知の概念、物の見方を次々と浴びせかけられることになる
(未だに僕はこの2年間の訓練の貯金でやりくりしていると言っても過言じゃない)
さらにその3年後
僕はこの塾で先生として黒板の前に立っているのでした